新卒で入った会社でのことだから、30年近く前になる。
同僚の子たちと休憩していたときに、一人の女の子がこう言った。
「今朝、すっごくいいうんちが出たんだ。もうね、『うんちくん!』って呼びたくなるぐらいの」
尾籠なネタで失礼。
でも前述の台詞を言ったのが、二十歳そこそこでかわいい女の子の、ほがらかな会話であるのを想像してほしい。
ほのぼのとした情景が目に浮かぶと思う。
ただ以来30年、ずっと頭に残っているのだから、私には相当なインパクトある台詞だった。
――「うんちくん!」って呼びたくなるぐらいの
若い女の子が「うんちくん!」と呼びたくなるようなうんちとは、どのようなモノなのだろうか?
もちろんいい状態のうんち、いわゆるバナナうんちだったに違いない。
私は日頃からほぼ快食・快眠・快便で、便秘で困ったことはほとんどない(エッヘン)
けれどもふと、
自分は「うんちくん!」と呼びたくなるようなモノを生み出した(?)ことがあるだろうか…
と思ってしまった。
そのため排便のあとは、必ず便の状態をチェックするという習慣が、その頃についた。
毎日お通じがあっても、便の状態まで毎日いいというわけではない。
むしろ、
これは「うんちくん!」とは呼べない…
という日の方が多く、「うんちくん!」と呼ぶにふさわしいモノを生み出すのは、なかなかに高度な課題なのだと感じた。
しかし、たまには調子のいい日がある。
これは「うんちくん!」と呼んでいいんじゃない!?
というモノが出たとき、なんだかうれしくて高揚した気分になった。
ああ、これは若い女の子ならしゃべりたくなるだろうな(笑)
確かあの子は「見せたかった」とも言っていた。
うん、わかる。
「いいのが出たでしょう?!」と、人に見せたい気分になる。
が、もちろん、そんなことはできない。
見せられた方は、たまったもんではなかろう。
写真に撮っておくなんてのも、もちろんできるはずもなく、名残惜しい気持ちで私はレバーハンドルをひねったのだった。
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