こんにちは、みみなをです。
新型コロナウィルスが流行しだしてから早や2年。
なかなか「コロナ禍」というものが収まらない、今このときこそ、ぜひ読んでいただきたい漫画がありますので、ご紹介いたします!
『ブルー・インフェリア』(紫堂恭子)
それが、こちら↓
紫堂恭子先生の『ブルー・インフェリア』です!
点在するオアシス「聖浄地」も、砂漠から襲いくるという《亜人》の出現により、外部からの人の流入を極度に制限。
人々はそれぞれの聖浄地で孤立状態になっていた。
その聖浄地のひとつリベルに住む、海が大好きな少年カズヤはある日、海辺に打ち上げられた少女を発見、救助する。
少女の名はマリーン。
マリーンは自分の名前以外、どこに住み、何のために海からやってきたのかなど、ここに来る以前の記憶を失っていた…
というのが、冒頭のあらすじ。
主人公カズヤは、自然に恵まれた美しい土地リベルで平和に暮らしていました。
けれどそこへ《外部の人間》であるマリーンがやって来ることによって、カズヤの中で疑問が生じます。
なぜ、世界はこんなことになってしまったのか。
聖浄地の外では、何が起こっているのか。
それを知るために、カズヤとマリーンが旅立つ…という物語です。
この《亜人》の正体が物語の大きなキモなのですが。
ここをネタバレせずに、どこまで紹介できるかな~!?;^^
これね…ぜひ何も知らない状態で読んでほしいんですよ!!
紫堂先生が綾なす見事な物語を、ぜひ!前知識なしで読んでほしい!!
もう、ああああ!!ってなるから!!(語彙力)
ということで、ネタバレなし紹介、できるかぎりやってみます(笑)
物語の設定が今のコロナ禍に似ている
前述したとおり、物語の世界は
住む土地も人口も激減し、遠距離の通信手段も失っている
そのうえ、
《亜人》という人類への脅威のため、外部との交流を絶たざるを得ない
という状況設定になっています。
これが今のコロナ禍の状況に似ているのです。
私なんか、「これは予言の書?!」と思ったぐらい(笑)
ネタバレなしで書いているので「似てる…??」と思われるかもしれませんが。
ここはぜひ読んで確かめていただきたい…!
物語の中では、
無知による差別や、情報不足による疑心暗鬼
によって、対立、争いが生まれました。
私は、コロナ禍の状況と重なる部分がとても多いと感じます。
そんな中で、キャラクターたちが何を思い、何を選択していくのか。
作品は4巻で完結していますから、物語の中での「答え」は出ています。
それは現実の、コロナ禍を生きる私たちに、たくさんの示唆を与えてくれていると思います。
紫堂作品のなかでも稀有な作品
紫堂恭子先生は、高い画力で美しい描写のファンタジー作品をたくさん描かれてらっしゃいます。
ずしりと重い骨太でシリアスなもの、それとは逆の軽やかなコメディもの、と幅広い作風。
そのなかでも『ブルー・インフェリア』は、舞台がファンタジー世界ではない珍しい作品です。
第1話からどこか暗いものを予感させる幕切れ。
この作品は、生と死にまつわる問題を扱う重い展開の物語なのです、が。
私は、
『ブルー・インフェリア』は紫堂恭子作品のなかでも、屈指の傑作である!
と、思っています!!
特に第2巻のvol.9~12。
ここで物語の核心が語られ、亜人の正体、世界の現状などが一気に明らかになります。
ここがね…この4話の展開がね…もう、圧巻!!なんですよ!!
『ブルー・インフェリア』という、謎めいた響きのタイトルの意味がわかるのも、ここ!
もう、ああああ!!って。
ああああ!!ってなるから!!(語彙力)
あーネタバレしたい。
てか、ネタバレなしで書くとああああ!!としか言えない(語彙力)
主人公カズヤくん14歳がむちゃくちゃ私好みイケメン
ストーリーは詳しく触れられないので、キャラクターを紹介しますね(笑)
元気いっぱいな彼は、行動力の塊。
自分で組み立てた舟で海へ漕ぎだしていき、近海は大人よりも詳しいほど。
観察力や判断力にも優れ、聡明な一面もみせる。
という、どストレートに私好みキャラですw
どこかのレビューで見ましたが、
『未来少年コナン』
の、コナンに似てるというのは、私も同意します(笑)
(遭難して流れ着いた女の子を助けるシチュも似ている)
そのカズヤくんが、名台詞をたくさん発してくれます。
(先生方をあだ名で呼ぶことを注意されて)
「何かを教えてくれる人を先生って言うんだろ?」
「あの人たち「きいた話」しかしないんだもん」
(敵か味方かを問われて)
「俺は誰の味方でも敵でもない」
どうですか、このスルドイ台詞…14歳ですよ?(*´Д`)
《亜人》の正体がわかったとき、すべての謎が氷解したカズヤは、それでも行動を止めません。
《亜人》の脅威によって世界が分断され、人々が孤立し、ゆえに疑心暗鬼になっていがみ合う…
対立し合う大人たちを見て、彼はこう言います。
「みんな 自分のことばかり考えている」
「自分たちが生き延びることばかり――」
(中略)
「自分が今 試されてるって感じるんだ とても」
「――できることを 探してでも やらなきゃいけないって」
誰だって、自分が大事。
自分の大切な人が大事。
自分たちを脅かす脅威が迫ってきたときに、どれだけの人が、自分たち以外の人のことを考えることができるでしょう?
コロナ禍に陥ったとき、世界はどうなったでしょうか。
マスクの転売が起きたり
心ない貼り紙がされたり
特定の人種が差別されたり
そんな残念なことが、いろいろ起こりましたよね。
私はカズヤのこの台詞を、思い出していました…
私たちは、試されていたのではないでしょうか?
陰のある悪役 ドクターフローレン
ごめんなさい<(_ _)>
フローレンが「悪役」であることはネタバレです。
でも、これもバラさずに書くことは不可能だった…!;^^
物語の割と序盤でわかることでもあるので許してください~;^^
(ていうか第1話でもう、結構怪しい雰囲気出してる)
で!このフローレンさん。
カズヤがいる村の人々と対立する立場になります(悪役だからね)。
なのに彼はつい、こんな台詞を口走ってしまいます。
「――もう いいかげんにしないか!」
(中略)
「あんたたちは 何も知らず」
「(略)ただもう 自分のことばかり」
「どうしてそう 自分たちのことばかり 考えられる!?」
「あんたたちこそ いったい何様の つもりで――」
そう、カズヤと同じ台詞を言い放つのです…(T_T)
彼が抱える、怒りと悲しみ。
フローレンの過去に何があったのか、それも
第2巻のvol.9~12で、明らかになるんですよーぉ!!
もう…ここ…この4話の展開が……今で言う 神!!(語彙力)
この絶望感、押し寄せる悲哀、そして破滅の予感……
読むたびに胸が苦しくなります…けど、好き!!めっちゃ好き!!!
あーもー、コミックスのこのページを開いて、あなたの顔に押し付けたい!!(読めんがな)
5年間の中断の憂き目にあった作品
実はこの作品、大人の事情により、一度は連載中断の憂き目に遭いました。
幸運にも、中断以降の話はすべて書き下ろしという形で単行本を発行。
既刊だった1,2巻も新装版が出版され、全4巻で完結となりました。
当時、紫堂先生は別の連載を抱えながらの『ブルー…』の書き下ろしで、ものすごく大変だったと思います…!
しかも中断期間は、なんと5年。
いろいろ思うところはおありだったでしょうに、それでもこの作品を見事完結させてくださったことに、心から感謝いたします( ;∀;)
そして、読者であるわたくし。
待ちました…5年間!!
この続きが気になって気になってたまらなかった作品の続きを5年!!
出版社を移っての新装版、書き下ろし発行の情報を目にしたときは震えました。
買う!絶対買う!!
これを買って読むまでは、絶対に死ねん!!
と、思うよね普通。
うん、だからね、何が言いたいのかってーと、
5年間待たなかったキミより、めたくそ思い入れがあるんだよおぉ!!!
だから2巻まで読んだら、3巻を読むのは5年間待つとよりいっそう(略)
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