チャルメラを食べようと思っていながら、がっつり夕食を取ってしまい、食べられなかった一週間前。
今度こそはと、17時台に軽くつまみを食べる程度にとどめて、私と夫はチャルメラがやってくるのを待った。
正確には、夫は「起こして」と言って寝てしまったので、私だけが待っていた。
20時を回った頃から、もう落ち着かない。
先週は20時半過ぎぐらいだった。
ベランダへ出て、チャルメラが来る方向を見てみるがなかなか来ない。
座っていられず、ベランダと部屋を行ったり来たりする。
どんぶりも出したし、お金と部屋の鍵も持ったし、マスクもしたし、と準備は万端だ。
21時を過ぎた。
今日はもう来ないのか…?
ルートを変えてしまったのか?
それとも、商売自体をやめてしまったのか…!?
と、どんどん悲観的になっていたら、
普通の車とは明らかに速度が違うヘッドライトが見えた。
そして、聞こえた。
あの、チャルメラの音が…!
急いで夫を起こし、どんぶりを持って部屋の鍵を閉めようとした。
そしたら、夫が「トイレ行きたい」と言うので、とにかく先に部屋を出る。
来た来た!
チャルメラが本当に来た!
先客がいたのでしばし待つ。
やはりその場に止まってそこで食べるのではなく、テイクアウトのようだ。
どんぶりを持ってきて正解だった。
待っている間に夫も来た。
やがて順番がきて、夫はしょうゆ、私はしおを頼んだ。
手際よくラーメンは作られ、5分ほどで完成した。
一週間、待ちわびたチャルメラのラーメンは、シンプルなおいしさだった。
夫にまた食べたいかと聞いてみたら、ぼんやりした返事が返ってきた。
正直言って、時間帯が中途半端なのである。
平均的な夕飯の時間か、あるいはもっと遅い時間であればいいのだが、21時前後は調整が難しい時間帯だ。
これがめっちゃくちゃおいしくて、
「わざわざ待ってでも食べたい!」
というぐらいの味なら迷いはしないだろうが、残念ながらそこまでではない。
でも、
寒いなあ、とか
なんか腹へったなあ、とか
〆で一杯やりたいなあ、とか
そんなときに、このチャルメラが来たら食べたくなってしまうだろう。
あの音が聞こえてこないだろうか、と、ドキドキしながら待つ時間。
チャルメラの音が聞こえると同時に、どんぶりを抱えて外闇へと飛び出す瞬間。
注文したラーメンが目の前で作られてゆくのを、わくわくしながら待つ時間…。
そういうシチュエーションも全部ひっくるめてチャルメラの味であり、だからチャルメラは愛されているのだろう。
ごちそうさま。
買い方がわかったから、今度はひとりで買いに行くかもしれない。
コメント